目次
はじめに
皆さんこんにちは、卯月ユウトです。
今回取り上げる作品は、住野よるさんの『恋とそれとあと全部』です。
感想
めえめえとサブレという不思議なあだ名で呼び合う高校生の男女二人の、サブレの叔父の自殺の真相を探るための4日間のプチ旅行を描いた物語です。正直、「なんて不謹慎な目的なのだ!」と感じたのですが、死について知りたくなったり恐怖を強く感じたりするのは彼らの年代ならではなのかなとも思いました。
作中で登場したタナトフォビア(死恐怖症)という言葉も印象に残り気になっているので、関連する書籍も読んでみたいです。
サブレは自分の話したことを後から「あの言葉はまずかったかな」と考えて訂正するくらい気にしすぎる人で、めえめえはそんな彼女の特性を“めんどくさい”ではなく“真剣”と捉えており、そういう考え方を私は良いなと感じました。
と、ここまでタイトルの「それとあと全部」の部分についてしか感想を書いていませんね……。ちなみに恋の部分は皆さん予想はついているでしょうが、めえめえとサブレの恋です。
今この瞬間、好きな子がいる。
という一文で始まる物語にも関わらず、“自殺の真相を探る”というおおよそ恋愛小説とは思えないストーリーで、二人の恋については最後まで焦らされること焦らされること。しかし、読後にはこの展開でないとダメだと、すっきりしました。皆さんにもぜひ読んで確かめてほしいです。
独特なテンポのセリフや地の文の言い回しは読んでいてなんだか楽しく、私はやっぱり住野さんの作品が好きなんだなと感じました(以前このブログでも感想を書いた『腹を割ったら血が出るだけさ』は合わなかったけれど……汗)。
最初こそ違和感を覚えていた二人のあだ名も読み終わる頃にはすっかり馴染み、「めえめえはめえめえだし、サブレはサブレだ!」という感じに見事、住野ワールドへ吸い込まれていました笑
住野さんの作品はもう一作積読しているので(告白撃)、近いうちに読んでみようと思います。
さいごに
ここまで、住野よるさんの『恋とそれとあと全部』の感想を書いてきました。
タイトルの通り「高校生=青春」の“恋とそれとあと全部”を詰め込んだ作品で、学生や私と同じ20代前半くらいの世代の人だとより共感できるのかなと感じました。
それでは、また。
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