卯月ユウトの読書日記

読んだ本を記録する、読書好きの交流の場です。

読書記録(これまで読んだ本の一覧)

こちらは、これまで私が読んできた本の一覧です。

このブログで記事を書いた本に関しては、タイトルを押すとその記事に飛べる仕様にしようと考えています。

小説

あ行

相沢沙呼
芥川龍之介
阿川大樹
あさのあつこ
  • 『バッテリー Ⅰ〜Ⅵ』(角川文庫)
  • 『晩夏のプレイボール』(角川文庫)
  • 『ラスト・イニング』(角川文庫)
  • 『敗者たちの季節』(角川書店
阿部暁子
天沢夏月
綾辻行人
有沢ゆう希
アンディ・ウィアー
  • 『火星の人[新版]上・下』(ハヤカワ文庫)
池井戸潤
伊坂幸太郎
一条岬
いぬじゅん
  • 『いつか、眠りにつく日 1〜3』(スターツ出版文庫)
  • 『三月の雪は、きみの嘘』(スターツ出版文庫)
  • 『ログインØ〈ゼロ〉』(スターツ出版文庫)
  • 『チルチルサクラ 〜桜の雨が君に降る〜』(角川文庫)
  • 『願うなら、星と花火が降る夜に』(LINE文庫)
  • 『君と見つけたあの日のif』(PHP文芸文庫)
  • 『今、きみの瞳に映るのは。』(実業之日本社文庫GROW)
  • 『この冬、いなくなる君へ』(ポプラ文庫ピュアフル)
  • 『あの冬、なくした恋を探して』(ポプラ文庫ピュアフル)
  • 『その冬、君を許すために』(ポプラ文庫ピュアフル)
  • 『いつかの冬、終わらない君へ』(ポプラ文庫ピュアフル)
岩井俊二
岩木一麻
宇佐見りん
宇山佳佑
ミヒャエル・エンデ
大石静高橋和
  • 『大恋愛 〜僕を忘れる君と 上・下』(扶桑社文庫)
大根仁
岡田惠和、国井桂
沖田円
  • 『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』(スターツ出版文庫)
  • 『一瞬の永遠を、きみと』(スターツ出版文庫)
  • 『春となりを待つきみへ』(スターツ出版文庫)
  • 『神様の願いごと』(スターツ出版文庫)
  • 『真夜中プリズム』(スターツ出版文庫)
  • 『きみに届け。はじまりの歌』(スターツ出版文庫)
  • 『すべての幸福をその手のひらに』(スターツ出版文庫)
  • 『ひだまりに花の咲く』(スターツ出版文庫)
  • 『僕らの夜明けにさよならを』(スターツ出版文庫)
  • 『そして8日目に愛を謳った。』(小学館文庫キャラブン!)
  • 『流星の消える日まで』(小学館文庫キャラブン!)
  • 『猫に嫁入り〜黄泉路横丁の縁結び〜』(小学館文庫キャラブン!)
  • 『猫に嫁入り〜忘れじの約束〜』(小学館文庫キャラブン!)
  • 『猫に嫁入り〜常しえの恋唄〜』(小学館文庫キャラブン!)
  • 『千年桜の奇跡を、きみに 神様の棲む咲久良町』(ポプラ文庫ピュアフル)
  • 『雲雀坂の魔法使い』(実業之日本社文庫GROW)
  • 『10年後、きみに今日の話をしよう。』(マイナビ出版ファン文庫ティアーズ)
乙武洋匡
  • 『オトタケ先生の3つの授業』(講談社
織守きょうや

 

か行

加藤シゲアキ
河邉徹
川村元気
菊川あすか
北川恵海
黒住光
  • 『ノベライズ 花束みたいな恋をした』(リトルモア
黒柳徹子
小坂流加
  • 『余命10年』(文芸社文庫NEO)
  • 『生きてさえいれば』(文芸社文庫NEO)

 

さ行

櫻いいよ
佐藤正午
佐野徹夜
塩田武士
汐見夏衛
  • 『海に願いを風に祈りをそして君に誓いを』(スターツ出版文庫)
志駕晃
重松清
島田荘司
島本理生
  • ナラタージュ』(角川文庫)
  • 『ファーストラヴ』(文春文庫)
新海誠
  • 『小説 君の名は。』(角川文庫)
  • 『小説 天気の子』(角川文庫)
新川帆立
  • 『元彼の遺言状』(宝島社)
須賀しのぶ
住野よる
せひらあやみ

 

た行

高嶋哲夫
高杉良
  • 『辞令』(文春文庫)
高橋あこ
鷹見一幸
太宰治
橘もも
  • 『小説 透明なゆりかご 上・下』(講談社文庫)
知念実希人
ドリアン助川
  • 『あん』(ポプラ文庫)

 

な行

中島京子
  • 『長いお別れ』(文春文庫)
中田永一
梨屋アリエ
  • 『ココロ屋』(文研出版)
夏目漱石
七尾与史
七月隆文
貫井徳郎

 

は行

灰谷健次郎
  • 『太陽の子』(角川文庫)
ロバート・A・ハインライン
春田モカ
東野圭吾
火坂雅志
  • 『真田三代 上・下』(文春文庫)
百田尚樹
誉田哲也

 

ま行

又吉直樹
三浦しをん
南杏子
宮下奈都

 

や〜ん、アンソロジー、団体等

山田悠介
山本文緒
吉田修一
  • 『路(ルウ)』(文春文庫)
アンソロジー

 

エッセイ

 

ノンフィクション

 

新書

 

実用書

 

マンガ

 

ムック本

鉄道

ガンダム

宇宙

  • 『宇宙 太陽系から銀河宇宙の果てまで全てがわかる』(成美堂出版)
  • 謎と新発見がまるごとわかる! 宇宙の地図帳大全』(青春出版社
  • 『宇宙はすぐそこに -「はやぶさ」に続け!- 』澤岡昭(中日新聞社
  • だれもが抱く素朴な疑問にズバリ答える! 人工衛星の“なぜ”を科学する』NEC人工衛星」プロジェクトチーム(アーク出版

音楽

料理

  • ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式 悪魔のレシピ』リュウジ(ライツ社)

ビジュアル

 

写真集・フォトブック

 

※このページは随時更新していきます

※()内は私が読んだ書籍の出版社、文庫名を表記しています

 

好きで溢れたありのままのエッセイ -「帆立の詫び状 てんやわんや編」新川帆立 著

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回取り上げる本は、作家・新川帆立さんのエッセイ『帆立の詫び状 てんやわんや編』です。

新川さんは第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』でデビューされた人気作家の一人です。この本は、デビューからのおよそ一年の間に幻冬舎Plusで連載されたエッセイに加筆修正の上刊行されたものです。

それでは、感想に移っていきたいと思います。

感想

アメリカ生活、ディズニー愛、ガチャピン愛などなど多岐にわたるエッセイで、まさにてんやわんやといった感じでした。にも関わらずとっ散らかることなく、しっかりと一本の筋が通っているように感じられました。

色々な好きなものについて書かれていますが、特に深い愛が滲み出ていたのはバッグについて。趣味を通り越して生きがいにすらなっているバッグ愛については、ちょっと引きつつも面白いなと思って読みました。

私はバッグについてはそれほど知識はないけれど、音楽に関して(特にback number)は同じくらいの熱量の文章を延々と書き続けられるかもしれません笑

 

他に特に印象的だったのは、“悪意のないおじさん”のエピソードです。

これからも同じように中高年の男性に悪意のない無神経な物言いをされる機会があるかもしれません。その時にはぜひ「うるせー!」とパワフルに乗り切っていただきたいですし、私はそのような“悪意のないおじさん”にならないよう気をつけなければなと思いました。

 

 

ちなみに私、新川さんの著作は『競争の番人』シリーズ、『先祖探偵』など購入したもののまだ読めておらず……という状況でして(ドラマは見たのですが)。このエッセイを読んだことで、積読本も早く味わいたいなという思いになってきました。

 

さいごに

ここまで、新川帆立さんのエッセイ『帆立の詫び状 てんやわんや編』の感想を書いてきました。新川さんの「好き」で溢れた赤裸々に綴った文章は面白く興味深くて、非常に楽しみながら読むことができました。

それでは、また。

普通の人の物語、だからこそ共感できる! -「自転しながら公転する」山本文緒 著

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回私が読んだ作品は、山本文緒さんの「自転しながら公転する」です。この作品は第16回中央公論文芸賞と第27回島清恋愛文学賞を受賞し、2021年の本屋大賞にもノミネートされ、松本穂香さん主演でドラマ化もされた人気作品です。

 

感想

この本の特徴というとブログ記事のタイトルにも書いた通り、どこにでもいる普通の人の物語であるということです。

更年期障害を患った母の看病のため実家に戻ってきた主人公の都は、アウトレットモールのアパレルの契約社員として働きながら寿司職人の貫一と付き合い始めます。しかし、彼との結婚は見えず、職場はセクハラがあり母の具合も一進一退。「正社員になるべきなのか?」「運命の人は他にいるのか?」などと思い悩みながら進んでいく物語です。

このような悩みは、実際に生活している中でも直面し得るものだと思います。だからこそ、特に都(32歳)と同じくらい世代の人は「これは私のことだ」と自分と重ねながら読むことができ、その結果として人気の作品になったのではないでしょうか?

 

都がぐるぐると思考する様子はまさに『自転しながら公転する』という感じで、すごく秀逸なタイトルだなと思いますし、そこの感情の起伏の描き方も非常に良かったです。

 

藤田香織さんの解説によると、後から追加されたプロローグ・エピローグについてはどうやら賛否両論あるようですが、私は「賛」の立場です。この加筆が仕掛けとなり、物語を楽しむ上での良いエッセンスになっていると思います。これから読もうと思っている方には、ぜひきちんと初めから順に読んでほしいです。

 

600ページ超えとかなりの文量はありますが、読後感は「え?そんなにあった?」となるくらいで、物語にしっかりと入り込めました。

優しく読みやすい文章で紡がれているにも関わらず、人の狡猾さや脆さ、本質的な部分を描きこんでおり、さまざまな方に読んでいただきたい名作だと感じました。

 

さいごに

ここまで「自転しながら公転する」の感想を書いてきました。

山本さんの著書を読むのは今作が初めてでしたが、とても良かったので他の小説作品やエッセイなどをぜひ読んでみたいなと思っています。

なお、山本さんは2021年に膵臓がんのため58歳の若さで亡くなられているとのことで、こんなに良い作品を書いた方の新作をもう読むことができないのは寂しいなとも感じます(遺して下さった作品を大事に読みたいですね)。

それでは、また。

ひねくれが面白い -「黒いマヨネーズ」吉田敬 著

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回取り上げる本は、お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」のボケ担当・吉田敬さんのエッセイ『黒いマヨネーズ』です。私はこれまであまりエッセイを読んできていなかったのですが、先日(といってもだいぶ前)書店に行った際にこの本になぜだか惹かれ購入しました。

それでは、ここからは感想を書いていきたいと思います。

 

感想

『黒いマヨネーズ』はおよそ5年間に渡って雑誌に連載されたコラムを58篇収録した一冊です。たくさんのエピソードがあるのですが、かなりの割合で下ネタ、ギャンブル、酒、妄想に関するもの。

目次で一篇目のタイトルが「初体験」となっている時点で「おや?」と思い、読み始めると一文目が、

僕はもちろんソープランド

なのです。いやいや知ったこっちゃないしもちろんってなんだよ……と思っていると次は育ててくれた祖母との心温まるエピソード。「なんだ、こういうことも書くのね」と思ったのも束の間やはり次には下ネタが登場、という具合。

吉田さん自身もコラムを女性が読むことを想定していないらしいから仕方ないでしょう。

 

また、この本の中ではベーシックインカム待望論に疑問を呈するなど、社会問題にも持論を展開しています。

そういった考えを述べる段でも、「え、そこを掘り下げる?」というようなところをこねくり回して、「ああでもない、こうでもない」と様々に逡巡する思考の過程がそのまま文になっている印象です。きっとそれが吉田さんの真骨頂なのだと思いますし、読んでいて非常に面白く時にはなるほどなと思わされました。

 

最後のクレジットカード紛失のエピソードには祖母のエピソードの次くらいにほっこりさせられました。なんだか読後感は結構すっきりとした気分です。「終わりよければ全てよし」とはこのことなのかもしれませんね。

 

さいごに

ここまで、吉田敬さんの『黒いマヨネーズ』の感想を書いてきました。

この本は吉田さん、そしてブラックマヨネーズの核となる部分がよく現れたなかなか面白い一冊です。ぜひブラマヨファンの方(下ネタが多いので女性には強くは勧めません……)は読んでみてはいかがでしょうか?

結構この本が良かったので『ブラックマヨネーズ吉田敬のぶつぶつ』や『人生は、パチンコで教わった。』も読んでみようかなと考え中です。

それでは、また。

 

圧倒的な透明感 -「WANDERLUST」森七菜(撮影:山田智和)

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回は、森七菜さんの写真集『WANDERLUST』の感想を書いていきたいと思います!

※ブログで写真集の感想を書くのは初めての試みです

ちなみに、今回の写真集は映画「四月になれば彼女は」の世界ロケに合わせて撮影されたものです。

youtu.be

 

感想

この写真集でまず感じるのは、何よりも森七菜さんの透明感! 自然な笑顔の写真が多いのも印象的です。特に、ラパスの音楽フェスの輪に加わっている写真は本当に楽しんでいるんだなというのが伝わってきます。

笑顔の写真を見ているとこちらもなんだか楽しくなってきます。森さんはそういう力も持っているんじゃないかなと感じます(単純に私が森さんのファンだからか)。

そして写真の色味がすごく美しい。ボリビアアイスランドチェコなど計10カ国の自然や街並みが鮮やかに切り取られています。一部ネットのレビューでは森さんが小さく写っているというマイナスの評価もありましたが、私は特に気になりませんでした。だって景色が綺麗なんだもの。

壮大な自然の中に、自然体な森さんが写っている。いわゆるタレントの写真集とは違う、映画ロケの旅行記の側面を持つ作品であることを考えれば、この上ない仕上がりなのではないかと思います。

 

ちなみにこの写真集には森七菜さん直筆の旅行記も折り込まれています。美しい写真の裏に隠された撮影ロケの秘話や、森さんが感じたことなどを読んだ上で見直すと、同じ写真でもまた違った見え方がしてきます。

 

さいごに

ここまで、森七菜さんの写真集『WANDERLUST』の感想を書いてきました。

皆さんも、映画「四月になれば彼女は」と併せてこちらの写真集も楽しんでみてはいかがでしょうか? 私も、映画を観に行こうと思っています!

それでは、また。

青さ溢れる意欲作 - 「腹を割ったら血が出るだけさ」住野よる 著

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。今回は、住野よるさんの「腹を割ったら血が出るだけさ」の感想を書いていきたいと思います。

住野さんといえば、実写映画化やアニメ映画化もされた大ヒットデビュー作「君の膵臓をたべたい」をはじめ、数々のベストセラーを生み出してきた作家さんです。私も住野さんの作品が好きで読んでいるのですが、この本は購入してからかなりの期間積んだ状態でした。

前置きはこれくらいにして、感想を書いていきたいと思います。

 

感想

  1. 「愛されたい」という感情によって本心を閉じ込められた女子高生・糸林茜寧
  2. ありのままを誇る美しい少年・宇川逢
  3. 自らのストーリーを作り続けるアイドル・後藤樹里亜
  4. 他者の失敗を探し求める少年・上村竜彬

この4人の視点を組み合わせて描かれる青春群像劇です(一部他の人物の視点もありますが)。視点が細かく切り替わるため、個人的には入り込むのに多少時間がかかった印象です。

一番のメインの人物になるのは茜寧なのですが、彼女の気持ちについていくことができず終始モヤっとすっきりしない感情がありました。

 

本当の自分を曝け出すのが難しいのは事実だし、取り繕うことがあったり仮面をつけたりすることは多くの人が程度の差はあれ経験のあることだと思います。

ただ、小説の主人公に重ねるほどに苦悩する茜寧には共感できませんでした。私が青くなくなってしまったということなのかな?

 

学生の人たちが読むと、きっと違う感情になるのでしょうね。

 

さいごに

ここまで、住野よるさんの「腹を割ったら血が出るだけさ」の感想を書いてきました。

この作品が発表された際、なんなんだこのタイトルは!と正直なところ思ったのですが、読み終えてみると「なるほどな」と。

総評としては『展開や構成は面白いが住野作品の中でも特に癖が強い作品』という感じです。

それでは、また。

自分を変えたい二人の物語 -「言葉のいらないラブソング」河邉徹 著

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回取り上げるのは河邉徹さんの「言葉のいらないラブソング」です。

この本には、書店でなんとなく良い本ないかな〜と思いながら見て回っていた時に出会いました。読書が好きで、音楽が好きな私に読めと言わんばかりのタイトルでしたので、思わず購入した次第です。

 

感想

普通すぎることに悩むミュージシャン・アキと、普通に憧れるアパレル会社のプレス・莉子の正反対の二人の視点で描かれるラブストーリーでした。

二人は正反対であることに自覚的で、互いに影響を与えながら徐々に変わっていきその中で衝突やすれ違いが生まれるようになっていきます。

やがて二人は前向きに『別れ』を選択するのですが、そこに至るまでの心理描写やシーンがどこかに実際にいる人を描いたほどに解像度が高くて。男女の出会いから別れを描いた物語として、大ヒットした映画『花束みたいな恋をした』をみた時の感覚を思い出しました(二人の出会いのきっかけや惹かれた理由は全く違うけれど)。

こういった何気ない日常を切り取ったような物語は個人的に好みだと改めて感じました。もちろん、奇想天外なあり得ない物語も面白いですけどね。

 

アキと莉子の二人の気持ちの描写が丁寧で良いのはもちろんですが、二人の周りにいる人々のキャラクターや言葉も良かったと思います。

例えば、アキの親友でありサポートメンバーでもある裕介やマネージャーの美智子、莉子が通うバーのマスターの真紀子といった人たち。アキと莉子が変わっていく際、お互いが大きなキーとなっているのはもちろんですが、彼らの言葉や行動によっても大きく変わっていったのだろうと思います。

サブ的な登場人物ではありますが、彼らをしっかり描くことで二人の物語がより締まったものになっていると感じました。

 

また、著者自身がWEAVERというバンド(2023年に解散)でドラマーとして活動していたからか、美智子など事務所やレコード会社の関係者とのシーンがリアルだと感じました。特に、CDの売り上げやライブのチケットの売れ行きについて悩む描写は、ミュージシャンとしての経験があってこそ描けるものだと思います。

この本の最後の方に「言葉のいらないラブソング」の歌詞が出てきますが、できることなら実際に曲として聴いてみたいなとも思いました(叶わないだろうけれど)。

 

さいごに

ここまで、河邉徹さんの「言葉のいらないラブソング」の感想を書いてきました。

非常に読みやすく素敵な物語で、あまり本を読んでこなかったような方にもお勧めできる一冊です。気になった方はぜひ下のリンクからチェックしてみてください。

それでは、また。

初心者にもわかりやすい音楽史の入門編 -「戦いの音楽史 逆境を越え 世界を制した20世紀ポップスの物語」みの 著

目次

はじめに

皆さんこんにちは、卯月ユウトです。

今回取り上げる本は、YouTubeチャンネル『みのミュージック』で音楽評論を行ったり、バンド『ミノタウロス』としても活動する みの さんの「戦いの音楽史です。

みのミュージック - YouTube

 

感想

読みはじめてまず思ったのは、読みやすいということです。

音楽史に限らず、こういった実用書の類は難しい言葉が多く読みづらいと感じる方も多いのではないでしょうか? この本は平易な言葉で100年のポップスの流れを簡潔にまとめていて、音楽史に初めて触れる方にもお勧めできます。

 

ネット上の感想には「浅い」と指摘しているものもありますが、そこはこの本のスタンス的に仕方がないのかなとは思います。

みのさんも「はじめに」で書かれていますが、音楽ジャンルが生まれた背景などを知っていると、音楽を聴くという行為そのものの質が上がります。このアーティストは何処の出身だからこの要素が入っているんだなというように考察しながら聴けば、何気なくスルーしていた音楽もきっとまた違って聞こえてくるでしょう。

 

多岐にわたるポップスの歴史が、時代背景や社会問題を交えながらもコンパクトにまとまっているので、『音楽を知る』入り口としてもってこいの内容だと私は感じました。

 

ぜひ、いろんな方に読んでいただきたい(特に10〜20代くらいの若い世代)ですし、その時には紹介されている曲を聴きながら味わって欲しいです。

私も、改めてさまざまなアーティストの曲を聴いて、当時の世界に想いを馳せてみたいと思います。

 

さいごに

みのさんは、3月に新たな書籍「にほんのうた 音曲と楽器と芸能にまつわる邦楽通史」を発売される予定です(私は予約済みです)。これまでなかなか日本の音楽の通史というものはなかったので、どのような書籍になっているのか非常に楽しみです。

それでは、また。

 

↓戦いの音楽史

 

↓にほんのうた