目次
はじめに
皆さんこんにちは、卯月ユウトです。
今回取り上げる作品は、沖田円さんの『10年後、きみに今日の話をしよう。』です。
感想
母とふたりで暮らしている男子高校生・真山蒼士(父は単身赴任)。平穏な日々を過ごしていた彼の元に、突然7年間音信不通だった姉・楓が3歳の娘・麦を連れて現れます。
この物語で印象に残っているのは、何と言っても麦の可愛さと破壊力。小さい子特有の無邪気さというか、無遠慮というか。麦の真っ直ぐな言葉に、読者である私も最初はなんだかイラっとしたのですが(ウザさ?)、ハッとさせられる場面も非常に多かったです。
家族の対立の中で板挟みになった蒼士は大変だったでしょうが、友人・清高の存在は彼にとって大きかっただろうと思います。たくさんの兄弟に囲まれた明るく朗らかな彼は、真山家の再生にとっても重要な1ピースであることは間違いありません。
沖田さんの小説はどれも温かいなと感じます。優しさ、友情・愛情、そして時には衝突や葛藤といった人間の感情を具に描き、手に取るように伝えてくれる。今作でも、それぞれの登場人物の心理描写が秀逸で、徐々に家族が再生していく中での気持ちの変化がよくわかりじんときました。
そんな、人の気持ちを柔らかな文章で描いた沖田さんの作品が私は大好きです。まだ購入して読んでいない作品もあるので、そちらも楽しみに読みたいと思います。
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さいごに
ということで、今回は沖田円さんの『10年後、きみに今日の話をしよう。』の感想を書いてきました。
幸いにも私の家族は真山家のようにバラバラになることもなく、いつも側にいます。その当たり前に感謝しながら、日々を大切に過ごしていかなければならないなと感じました。
それでは、また。
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