目次
はじめに
皆さんこんにちは、卯月ユウトです。
今回取り上げる作品は、新川帆立さんの『女の国会』です。この本は発売時(2024年4月)から気になっていたのですが、先日『あの本読みました?』という番組のお仕事小説特集で紹介されているのを見て、ようやく手に取ってみました。
感想
読む前にはタイトルから国会におけるバトル小説か何かかなと思っていたのですが、昨今クローズアップされているLGBTQと女性の権威向上をテーマにした小説でした。
序盤、ウソ泣き「お嬢」と呼ばれる与党の国会議員・朝沼侑子が謎の死を遂げます。
その補欠選挙をめぐって、お嬢のライバルである野党議員・高月馨とその秘書・沢村明美、取材する記者の和田山怜奈、お嬢の地元の市議会議員・間橋みゆきの4人の女性が、政治という男性社会の中で戦っていく様子がそれぞれの視点で描かれています。4人それぞれの葛藤がよく描かれていて引き込まれました。
特に、宴会の描写だったり三好顕造の和田山に対する言葉だったりは、男性の私からしても嫌だなと思うというか。昭和かよと思うくらいなのですが、政治の世界ではまだまだ実際にこういうことがあるのかなと想像すると虫唾が走ります。
最後に辿り着く真相には「ああ、そういうことか!」と、それまでの描写の意味に気付かされハッとしました。いや、まさかまさかですよ……。
先述した『あの本読みました?』で鈴木保奈美さんが男性スタッフに放った「全員読みやがれ!」という言葉が、番組の中で印象的だったのですが、今作を読了するとその通りだなと。世の中の男性はこの作品を絶対に読むべきだと思います。
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さいごに
ここまで、新川帆立さんの『女の国会』の感想を書いてきました。
多くの男性に読んで欲しい作品で、難しいかもしれませんがドラマや映画になってくれないかなあとも思います。新川さんの作品はまだ積読しているものも多数(小説もエッセイも)なので、近いうちに読めればと。
それでは、また。
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